株式会社の代表取締役等となっている会社経営者の方は、収入が高く、保有資産も多いという特徴があります。
そのため、離婚するときには、金銭的な条件で争いになりやすいという印象を受けます。
離婚財産分与の対象になるのはあくまで夫または妻個人の財産であって、
会社(法人)名義で保有している預貯金、不動産、自動車などは直接的には財産分与の対象にはなりません。
ただし、経営者が保有している会社の株式が離婚財産分与の対象となり得ます。
原則として財産分与の対象にはなりにくいです。
ただし、婚姻後に業績が拡大し株価が上がった場合は、価格増加分について財産分与の対象になり得ます。
評価方法としては、純資産方式、配当還元方式、類似業種比準方式、収益還元方式があります。
また、経済的に余裕があるためか、浮気や不倫が離婚原因となるケースもよく見られます。
不倫はあくまで家庭内の問題とはいうものの、会社経営者の場合は、不倫への対応を誤って
話がこじれ大事になると、社会的信用が低下し、会社経営への影響も心配になります。
不倫問題を抱えておられる経営者の方は、大事にならないうちに、
早い段階で弁護士に相談された方がいいでしょう。
なお、夫が会社経営者の場合、妻をその会社の社員として雇用していることも少なくありません。
離婚したからといって当然に退職したり、自由に解雇できるわけではありません。
雇用関係を解消するためには、きちんと話し合い、
場合によっては退職金の上乗せなどの配慮をして解決すべき場合もあります。
依頼者は40代男性会社代表者、会社設立を立ち上げた後、妻と結婚しました。
妻には会社の社員として給料を渡していました。
結婚期間が数年と短かったこともあり、協議離婚に際しては解決金200万円を支払うことで、
会社の株式を離婚財産分与の対象外とする合意をし、会社経営に影響なく解決できました。
依頼者は30代女性専業主婦、夫は40代会社経営者。
夫の会社は親から承継したものでしたので、株式は財産分与の対象とすることは難しいと思えました。
しかし、結婚後に会社の業績が上がったことや妻である依頼者も会社経営を手伝うなどの功績が
あったことを考慮し、最終的には400万円の財産分与を取得して解決しました。